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信濃三十三観音霊場 全地図
諏訪・安曇−03 地図

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尺八を携え巡ったしなの三十三観音霊場記



 時間が有り、昔からの有名な古い宮だとネットで調べていたので、ちょいと「仁科神宮」に寄ってみました。
仁科神明宮 入口

 駐車場へ行くと有名箇所にしては、人が余り来ないのか車が置いてなく、他に参拝客が居ないようです。


 参道には枯れた杉葉が落ちており、ここ最近あんまり掃除してないなぁ・・・。


 階段を上がると境内にはチッコイ社が、一杯あります。


 「神門」で尺八を2曲吹いてる時に参拝客のグループが来ました。

仁科神明宮 参道
 参拝後に案内板を見ると、ここの社殿は国宝になってる建物が多く、「神門」横の扉から神域内に自由に入れて拝殿・本殿を間近に見れるのですねぇ。


 普通だったら、畏れ多くて入れない場所だと思う。


 神社境内を見物していると、参拝中に来た老人グループのジサマが丁寧に帽子を取って
「失礼な事をお尋ねしますが、それは尺八ですよね」


 
「はい、普通よりも長い物です。」


 
「さきほど吹かれていた曲は、どのような物なんでしょうか?」
 
「虚無僧が吹く曲で、CDを聞いて覚えた独学であり、正式に習ったのではありません。」
仁科神明宮 参道

 
「この神社でテープを流してるのかと思った。」


 
「ここへ上がって来る時に曲が聞こえ、厳かな気持ちになりました。」と連れのバサマ


 
「ははあぁぁ〜・・ありがとうございます。
 そお言ってもらえると、もんのすごく嬉しいです。」


 ウレシイですねぇ、こおやって直にお褒めの言葉を聞くと。


 
「どおいう主旨で、ここへ来られましたか?」
 「信濃三十三観音を巡っている途中であり、著名な神社仏閣が有れば寄って、今のように参拝してます」
仁科神明宮 境内

 
「どこから来られたので?」
 
「新潟県です。」


 
「長岡に●●(名前、忘れちゃった)という都山流の先生が居ますが・・」
 「ううむうぅぅ・・・残念ながら知りません。
 なんせ5年ほど前から住み始めたもんですから・・」



 これも一期一会、誉めてくれたのだしぃ、何かの記念になればと思い、納札を人数分渡しました。
 ちなみに納札は、四国の納札と同様形式の物をパソコンで作って印刷したモノです。


 それをジッ〜と見ていたジサマが、名前の署名を見て
「ほほおぉぉ・・砺波の「砺」ですなぁ」


仁科神明宮 案内板


      


 話しが突然に、少し・・
 いや、かなりかな?変わりますが(長文ですので、読み飛ばされてもケッコウです)


 実はこの竹号の「砺」という漢字を説明するのに、「四国遍路」の時にもチラッと書きましたが、ある想い出がありましてなぁ。


 昔、転勤商売してたので、転勤する先々の箇所で琴の先生が居たら、お願いして一緒に練習させてもらっていました。


 某地方に転勤した時にも、琴の先生がいたのでお願いしましたが、これがすぐに「うん」と言ってくれず、どうも以前に我流で尺八をやってた人と出演して失敗したらしく、それで懲りたらしい。


 もう忘れられたろおなぁ・・と思ってた頃に、地元の芸能祭に出演するが、曲の途中で尺八の独奏箇所があり、その間に琴の調弦しなければならないので出演してみるか?と電話が有り承知し、それから一緒に練習をしました。


 芸能祭りも間近に迫った頃、琴の先生から電話でプログラムへ載せる流派・竹号を尋ねて来ましたが、竹号の「砺」の漢字を説明したのですが、なんせ使われていない字なので相手はわかりまへん。


 目で見ればすぐにわかるのですが、時間が無いからこの電話で・・と言うので長々と説明したが、結局わからず、挙げ句の果てに「もう・・そんなのわからんから本名でも良いでしょう。」と言われちまった。

仁科神明宮 神門
 相手はプロの人でしたがクセの有る人で、その時の言い方が、聞いた事もないような弱小流派のシロウトのクセして、何をそんなにイッチョウマエのような顔して竹号にこだわるのか・・という感じです。


 バカにしてんなぁ、σ(*_*)が有名大流派所属だったとしても、そのような事を言うのか・・と思ったが、生来の気弱な性格とコンジョ無しなので、しかたなく「良い」と言っちゃった。


 後日、それなりのスジの方に聞くと、
 「竹号は、もんのすごく大切な物であり「昔、プログラムの竹号の字が違ってた人が、あっ、これは(出演者は)自分では無い。」と言って出演せずに帰った人が居た。
 あぁたの場合も、即座に出演を断るべきだった。」と教わりました・・やっぱしねぇ。


 それを機会に以後何度か出演依頼が有りましたが、その度にヤンワリと他の理由を付け、それプラス「他の著名な尺八の先生に依頼された方が・・」と断り続けました。


 しかし、その地方の近辺にはσ(*_*)しか尺八をする者が居なかったので、しつこく頼み込まれたので負けてズルズルと出演しちゃったけれど。


 はい、あいかわらず本名のまま・・(^O^)ナハハハ・・・


 相手方から見ると、気を遣うエライ尺八の先生と違って、シロウトなんだから気軽に頼みやすい手頃な相手と思ってたんでしょうねぇ。


 ある年、その会独自の発表会をするからと出演依頼が来ましたが、
「今まで出演して来た小さい内容のものとは違い、そのような立派な会には、私のような無名の者が出るのは、いかがなものかと思います。
 以前一緒に出演して頂いた尺八のエライ先生に頼まれた方が、大事な発表会にはふさわしいのではないでしょうか。」


と丁寧に断り、相手も「そうかもしれん」と思ったのか、今度はそれほどしつこく言わずに引き下がりました。


 しょせん、こんなモンだろなぁ・・と思ってたら、数日後にまた電話が来て「頼むから出演してくれ」


 はっ?・・何で?・・と思って、よくよく聞いてみると、尺八のエライ先生に電話したら


「あぁたの地元に、前回一緒に出演した尺八をやってる人が居るではないか。
 その人を差し置いて、自分が出るというワケにはいかん。
 その人が出ないというならば、絶対に自分も出ない。」
と、どんなに頼み込んでもガンコに言い張ったそうな。


 尺八の先生は、こんな弱小流派でシロウトのσ(*_*)でも低く見る事なく同等として扱い、きっちりとスジを通してくれたのですねぇ。
 ちなみに、その時は知らなかったのですが、ネットで調べると現在この先生は某県において某流派支部長をされてるようです。


 σ(*_*)にも意地が有り「こんな私に配慮して頂き、ありがたいですが、やはりこのような会には私はふさわしく無いと思い、私が十分に了解・承知しているから・・と、その旨を尺八の先生に伝えて再度、出演依頼してください。」と言いました。


 それくらい言えば、スムーズに了解してもらえて事が運ぶかなぁ・・と思ってましたが、やっぱり電話が来て「アカン、どおしても出演しないなら、自分も出ない。」と言われたそうな。


 それから、スッタモンダと長々と電話し「何で出たくないのか?」という相手の問いに対し、正直に竹号の件を今さら言うのもミットモナイので、あくまで「名も無い弱小流派と無名」を理由に挙げました。


 しかし、相手もσ(*_*)が出演しないとオジャンになっちまうので、今までにない必死の執拗さでネバリ続けたので、最後にはカワイソーだから承知しました。


 それでこの話しが終わったと思ったら大間違いでっせぇ、トッツアン。
 この後も笑うような「オマケ」がありましてなぁ・・・(^O^)


 無事に?(ほんとは出演した時にチット有ったが省略)発表会が終わり、ポチ袋というのか祝儀袋をくれたので、ありがたく礼を言って頂き、帰る車の中でワクワクしながら袋の中身を見ると・・


 なあぁ〜んと、カラッポ!!・・・・はっ?・・・あれっ?・・・・
 袋を逆さまにしても、透かしてみても無い・・


 中身が空だとわかった時、思わずその場で笑ってしまった。


 一瞬、相手方の今までに対するイヤガラセかとも思いましたが、性善説を取る人間なので中身を入れ忘れたのだと善意に解釈しました。


 こおいう場合は、相手方に正直に「入ってなかった」と言った方が良いのか、わかりません。
 たぶん親しくしていた人だったら、笑いながら「他の人にも聞いた方が良いよ」と言ったと思う。


 出演料が目当てでは無かったので結局黙っていましたが、他の出演者の人達にはチャンと入っていたのか、そっちの方を心配しちまった。


 常識の無い相手にそれ以上言うのもアホらしく、長く付き合う気持ちもサラサラ無く、転勤商売なので、その数年間だけ波風が立てないように・・と思い・・


 関係の無い長文、御静読ありがとうございました。m(_ _)m


       


 話しを戻します・・・すんまへんでした。


 日常生活では、あまりこの漢字を使われる事が無く、お目にかかる機会も少ないのにアッサリと読んだので


「砺波出身の方ですか?」
「いや、チューリップフェアに行った事が有るので・・」



 ちなみにσ(*_*)は富山県・福光出身で、この地方には源平以前の古くから「砺波氏」という豪族が居たらしく、それが地名になり今は南砺市になっており、竹号は故郷に関連する「砺」から取りました。


 ついでながら、この「砺」は「と」と読みますが「れい」とも読めるのですねぇ。
 「砺山帯河(れいざんたいが)」という熟語が有り、「国が永久に持続する」という意味らしいです。


 ジサマは納札を眺めつつ
「失礼ながら、これは何と書いてあるので?」と願意の所を指さします。


 うむうぅぅ・・よぉ〜質問してくるジサマだなぁ。
 もっとも、こおいう風に、何にでも好奇心を持たないとボケて来るというから良い事だと思うが・・


 
「特に願意なんてモノは無いのですが、何も書かないのもサミシイと思い、虚無僧に伝わる言葉をカッコウ付けて書いちゃったのです。(^O^)
わさび農園 夢

 そいでこれは「一吹いっさいの善を成すため、二吹きいっさいの悪を切るため、三吹き諸衆生のため」と書いてあります。」



 そしたらジサマはしつこく
 
「この一吹きと言うのは、一呼吸という意味ですか? 
 それとも一曲という意味でしょうか?」



 うっ・・鋭くも痛い所を突いて来られた。
 生かじりの知識で、エラソーに書いたのがマズカッタかなぁ。

わさび農園 夢
 
「ええっとおですなぁ・・
 これは呼吸数とか曲数とかを言い表してるものでなく、全体の意味として捕らえて欲しく、このような気持ちで吹いてるのだ・・と解釈して頂ければ良いと思います。」

と答えたけれど間違ってたかな?


 正しい虚無僧曲を習ってる方や、そのスジの方々、ニセモンのσ(*_*)に教えてください。


 ついでに裏に書いてある「迷故三界城・・・」の偈も、ボロが出ないように聞かれる先にサラサラと読んで説明したら、これまたエライ感心されちゃった。(^O^)


 仁科神明宮を出て、近くの民宿に入るのに早過ぎたので、時間調整のため「わさび農園」へ寄ってみました。
わさび農園 夢

 どうせ観光農園で大した事ないだろおと思ったのですが、行ってみると、すんごくキレイな川が流れてるのですねぇ。


 知らなかったのですが、「夢」という映画のロケ地になったらしい。









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           H23.10.27  亭主 拝 m(_ _)m ハハアァァァ〜・・・