道の駅「神林」 〜 道の駅「加治川」 〜 28番「白蓮寺」(新発田市)
 越後三十三観音霊場 徒歩用地図
H22.6.9 巡礼
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尺八を携え歩いた越後霊場記



 中条駅を出てまもなく神社が有り、寄ってみると欄間の彫り物が良かった。
 後で調べてみると「淡島神社」と言うらしい。
淡島神社


 テクテク歩いてると下坂町付近の溜池に地蔵さんと庚申塚が有り、いかにも旧道沿いらしいですねぇ。


 金塚駅より周囲が新興住宅の小高くなった坂道を上がり、突き当たった付近に温泉が有るはず・・が無いでぇ。


 突き当たった所は、工場と草むらだけ・・はれっ?つぶれたのかな?


 そお言えば、すぐ手前に「さくら湯」と書いた矢印付きの看板が出ていたなぁ。


 その矢印の看板の所へ戻り、矢印方向の住宅街へ歩いてると、後ろから
「お遍路さあ〜ぁ〜ん」と呼ぶ声がします。


 ん?・・・・・この付近で遍路姿をしていると言えば、いかに小汚いカッコウしとるとは言えσ(*_*)しか該当者が居ないだろおと思って振り返ると、一軒の家からオバハンが手招きして
「お遍路さんでしょ? お茶でも飲んで行きませんか」と言います。


 へえぇぇ・・四国から遠く離れたこの地で、珍しくも遍路を知っている人が居たんだ。


 戻って話しを聞くと、オバハンも車で四国遍路をしたと言い、杖と笠を持っていたので遍路してる人だと思ったらしい。


 これから近くの日帰り温泉へ行く予定だと言うと
「それじゃ風呂代の500円、お接待します」と言って硬貨をくれました。
金塚駅

 四国を遠く離れた地で久々の「接待」を受けたので懐かしく感激しちまい、今までは自分から言った事は無かったが
「実は尺八を吹きながら巡っていますので、お礼に尺八を吹かせてください。」と言って日陰の階段に座ってもらいました。


 お礼吹きをした後
「この曲は、寺を巡ってる時にいつも本堂で吹いてる曲です」と言って納札に曲名を書いて渡しました。


 オバハンは
「あらあぁ〜・・・、今、お父さんが留守しているのだけれど、居れば良かったのにぃ。」と盛んに残念がります。


 越後三十三観音を巡っている途中だと言うと、以前に日本一周しているお遍路さんと会った事が有ると言い、その人からもらった地図を見せてくれました。


 献体を世に知らせるため巡ってるらしく、それを見ると全国の隅々ではなかったが、四国から日本海側沿いに青森付近までの行程日付が大きな和紙に地図と共に記載されてました。


 へえぇぇ・・・こおいう人も居るんだ。


 オバハンは
「地図が2枚有るから、くれる」と言ってましたが、地図をもらってもなぁ・・と思いましたが、あまりにも言うので「それでは温泉でゆっくり見させてもらいます。」と言い、オバハンも「知ってる温泉だから受付に渡しておいてくれれば良い」と言い、オバハンと別れました。
道の駅「加治川」

 そいで温泉へ行ってみると、定休日・・・ガアァ〜ァン!!
 道を間違えるわ、定休日だわ・・タハハハ。(^O^)


 ここへ来るまで歩きながらも「まさか定休日じゃないだろおなぁ」と密かに心配していたんだけれど、ズバリ当たっちゃったのね。


 温泉の玄関先でしばし休憩しながら預かった地図を眺め、納札を取り出してオバハンにせっかく500円貰ったのに休みだったのと感謝の旨を納札の裏に書きました。


 オバハンの家へ戻り、わざわざ声を掛けて家の中から出て来て貰うのも悪いので、そっと玄関入口に地図を返して、その上に先程書いた納札を置きました。


 道の駅「加治川」に着き、荷物を建物の日陰に置いて、さて何が売ってるかと直売店へヒヤかしに歩き始めたら車の警笛がします。


 なんじゃ?と思って振り向くと、先程のオバハンでした。
道の駅「加治川」直売店「やまざくら」

 車から降りて
「主人とも相談したが、温泉が休みだったそうなので、家の風呂に入り、もし良かったら泊まらないか」との申し出だった。


 しかし、普通の家庭に見知らぬ者が泊まるのは、お互いに気を遣うんじゃないかなぁと思って、そう言って丁寧にお断りすると、オバハンも予想していたらしく無理強いはしなかった。


 
「歩いてると野菜不足だろおと思い、ホウレン草の煮たのを持って来たが貰ってくれるか?」と言い「はい、喜んで」と言ったら、スーパーの袋にトマトやらバナナやらまで入っていました。


 後で袋を開いて食べると、オバハンがσ(*_*)のために、とりあえず家の中の冷蔵庫やら何かを引っかき回して食糧を探し、急いで調達して来たのだというのが良くわかり、ありがたい事です。


 σ(*_*)も家の近くで遍路姿を見たら、きっとオバハンと同じような行動をして精一杯何かをしたと思う。


 これが遍路した者の仲間意識なんですねぇ。


 それにしても今日一日は、納札がよぉ〜役立った。


 四国で出会った老遍路の言葉を借りれば、朝方に道を間違えたのは天が配した大いなる布石であり、中条のスーパーで笠の字を解説したり、このオバハンと出会うため必要な時間調整だったという事になる。


 道を間違えずに、順調に予定の道を歩いてたならば、この二人のオバハンに出会わなかったと思い、これが「縁」というもんでしょう・・・ナモナモナナモナモ・・・。


 野宿場所は生果物を売ってる直売店の玄関に風除囲いが有り、人からも発見されにくい場所で、直売所の人に言って了解を得ました。


 昨日と違って、今宵はヒマな夜で、宵の明星が一つ輝いています。


 近所の鶏小屋から一晩中、ニワトリの鳴き声が聞こえ、ニワトリは何時寝るんじゃろか?。


 朝5時に起き、自販機で缶コーヒーを買うと自販機から
「いっつもぉ悪いねえぇ〜、またぁ頼むわぁ」と田舎のオハバンの方言が流れ、思わず笑っちゃった。








注意
 
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 お手数ですが「第一部」と称していた「遍照の響き」に移動して頂き、以後はそちらの該当ページを参照してくださるよう、お願い致します。
           H23.10.27  亭主 拝 m(_ _)m ハハアァァァ〜・・・