H20.7.6 巡礼
H22.5.8 UP





「雲洞庵」で入場料300円を払い庭へ入って行くと、やっぱし入場料取るだけあって、ええ庭でんなぁ。

どっしりとした「赤門」が有り、中には仁王さんも居ました。
何で「赤門」というのかわからんが、たぶん昔は赤く塗っていたのではないかな。
赤門の看板に「雲洞庵の土踏んだか」という看板がかかっており、これには深あぁ〜いカワイソーな話しが有りましてなぁ。
そこらに犬の糞とか、何かが落ちてるから気ぃつけなさいよ・・という、くだらん看板じゃないんです。



この赤門から本堂に向かうまでの石畳が敷いて有ります。
その石、一つ一つに法華経の字が彫ってあるそうで、信心の足りん人間でも、その石畳を踏んづけて歩くと法華経を唱えたのと同じ功徳があるらしい。
それで「雲洞庵の土踏んだか」と言われてるらしい。
良かったねぇ、信心の足りないトッツアン。
しかしぃ・・アリガタイ経文を彫った石を踏んづけるのは、かえってバチが当たるような気がし、せめて素足になってそこを歩け・・とした方がアリガタ味が有ると思う。

よぉ〜考えると、これはあんまりカワイソーな話しでも無かった。
鐘楼近くに仏舎利棟への案内標識があり、せっかくなので見に行く途中、一つの石碑を見ると・・ん?・・・どこかで見た図柄が・・
おぉぉぉ・・こ・・こりは越後明暗寺跡で見た石碑と同じ図柄でねぇか。

深い編笠を被って、夜逃げするような大きな風呂敷包みを担ぎ、尺八を持ってるこの図柄は、昔の旅する虚無僧姿。
何でこの寺に虚無僧が関係有るの?
石碑の後ろを確認すると「宝物殿落慶記念 吹禅 寄進者 越後明暗流尺八 うんぬん・・」と彫ってあります。

ほほおぉぉ・・そおいう関係が有ったのか、知らなかった、来てみるもんだなぁ。
越後明暗の石碑場所から仏舎利棟が見えるので、そこまで行かずに寺へ行きました。
玄関脇の受付けに居るネーチャンに「ここで尺八を吹いて参拝しても宜しいでしょうか?」とお伺いをたてると、「ん?」という顔して隣の坊さんに救いを求めます。

坊さんは「どうぞ、どうぞ・・」と笑顔で言い、今までこんなにアッサリとニコヤカに勧められたのは始めてだった。
今まで経験した、たいていの寺は「ふぅ〜む、さよか・・それならば宜しい」と、もったいを付けた重々しい感じの許可だったんだけれど、この雲洞庵では是非やってくれという感じでした。
さすが越後明暗流が関係した寺は、尺八での参拝許可は扱いが違いますなぁ。

本堂・内陣には「鯉の滝登り」図柄の欄間が有り、「菊水」紋の釘隠も有りました。
本尊さん前には、賽銭箱の横に座布団が敷いてありますが、参観者も多いので、そこに座って長時間参拝するわけにはいかんしぃ。

その付近の板敷き廊下で尺八を吹くと、参観者が移動する通路なのでジャマになると思い、そこより数段下がった石畳の上に毛氈が敷いてあったので、そこで立ったまま尺八を吹いて参拝しました。
しかし、ここは風が通らないためか、窓が開いていても、もんのすごく蒸し暑い。

いつもは参拝中でも、頭に手拭いを鉢巻きにして汗止めにしていたのですが、なんせ格式の有る寺のよおなので、寺内で鉢巻きするのは失礼になるかなあぁ・・と思って、鉢巻きをしなかったのです。
そのため額から汗がフツフツと出て、顔中が汗で濡れちまい、知らない人が見たら、「こいつは尺八吹きながら涙を流してるんじゃねぇか」と思ったんじゃないかなぁ。
参拝が終わって寺内を見物すると、けっこう見所がたくさん有り、客殿は三方向が開けっ放しになっており開放感があります。
参拝客が居なかったら、庭を眺めながら尺八吹くのにええ場所なんだが・・。



内陣の後ろの方に「開山堂」という部屋があり、早い話が位牌置き場なんでしょうか。
そこの窓から庭を眺めると池が有り、涼し気でなかなか情緒が有る。
ここは奥まった場所なので、あんまり参拝客が来ないようだから、窓から池を眺めながら越後明暗にちなんだ曲を一曲吹きました。

内陣前と違って涼しい風が通り、なかなか気分良く吹けました。
吹き始めた時は少し人が来ましたが、吹き終わった時には人気がしなかったので、だれも居ないだろおと思って振り返ると夫婦連れが一組居て、しっかり最後まで聞いていたよおです。
軽く会釈をして分かれましたが、σ(*_*)が作務衣を着ていたから、ヒョットしたら寺関係の人物かと思われたかもしれん。

この日は日曜日で参拝客が多く、もし人が少なかったら、寺内のどの場所でも、気の向くまま時間を気にせず、ゆっくり尺八を吹きたいと思う寺でした。
さすが越後明暗・・目の付け所が違いまんなぁ。
寺を出て駐車場に店が有ったので「日本で10番においしい」と書いてあるトコロテン@300−を食べてみました。
外のテーブルでトコロテンを食べてると店主が来て、尺八を入れた黒い筒を指して「これ何ですか?」と聞かれ答えると、木の下へ荷物を置いたのを見ていたのか「歩いて寺を巡ってるのか?」と聞きます。

そおじゃろなぁ、梵字が書いてある笠を杖にくくり付け、側にリュックが置いてあれば、タダの旅行者だと思わないじゃろなぁ。
タダの旅行者なら、杖なんて持って歩かないもんねぇ。
「越後三十三観音霊場を巡っており、大福寺へ寄って来ました」
「あそこは人が居なかったでしょう」
ふうむ・・普段は留守がちな寺だったのかな?
「人の気配が有ったので居たと思いますが、σ(*_*)は納経帳をやってまへんので・・」

同じテーブルでトコロテンを食べていた老夫婦のツマが店主とのやりとりを聞いており、ツマがオットに「越後霊場を巡っているんだって」と報告してから聞いてきました。
「何日くらい、かかりますか?」
「親不知の市振から・・・(指折り数えて)ここまで14・5日ぐらいかかったかなぁ」

「仕事してないんですか?」
うむぅ・・・やっぱし、そおいう所が一番気になり、そんな風に見られるんじゃろなぁ。
「今回は4日ほど休みをもらって、今まで何回かに分けて歩いてました。」
「四国は巡らないのですか?」
うむぅ・・やっぱし、こおいうタグイは四国の方が有名だからなぁ。
「3回巡って、それが病みつきになりました。
面白いでっせぇ、あぁたもやってみませんか。」
と話しているうちに、老夫婦が頼んだ迎えのタクシーが来たので別れましたが、もう少し時間が有れば、もっと話しをしてあげたのにぃ。

注意
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無料サーバーを使用しているため、更新が行われないと、数ヶ月後に削除されるらしいです。
お手数ですが「第一部」と称していた「遍照の響き」に移動して頂き、以後はそちらの該当ページを参照してくださるよう、お願い致します。
H23.10.27 亭主 拝 m(_ _)m ハハアァァァ〜・・・