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 越後霊場の打ち始めは、能生に有る「白山神社」となっており、「越後順礼道志るべ」にも、ちゃあぁ〜んと書いてあります。


 しかし、なぁ〜んかそこから始めるよりも、もぉチョイ富山県境付近から歩いた方が区切りが良く、その方が「越後国一周」というような気がします。


 富山県境付近には、「親不知・子不知」と云う断崖絶壁の難所が有り、知ってる人は知っており、知らない人は「何それ?」という、スンゴイ名称地が有ります。


 どれだけの難所かというと、明治の始め頃まで道は無く、石ころだらけの波打ち際を歩いたらしいですが、今は絶壁の上に国道が走ってます。


 四国で例えるるならば、高知県にある「ゴロゴロ海岸」と同じだと思ってくんなせぇ。


 「ゴロゴロ海岸」は無理すれば何とか歩く事も可能でしたが、この「親不知・子不知」の難所は、果たして今も歩く事が可能なのか?


 ちなみに「親不知・子不知」は富山県側の「市振」から「親不知(地名)」までを「親不知」と言い(ちと、ややこしいですが)、「親不知(地名)」から「青海」までを「子不知」と言うらしいですなぁ。


 ネットで調べてみると「青海」から「親不知」までの間(いわゆる「子不知」)は何とか歩いた人がいたようです。


 しかし、その記録を読むと途中に護岸が有ったり岩が行手を塞いだりしていて、かなり危険なようなので、そこまで無理して歩く必要は無いなぁ〜と感じ、そこはヤンピしようと思いました。


 残る「親不知区間(市振〜親不知)」は、どうなのか?


 実は20年ほど前、「天険トンネル(どや、オトロシそうな名前じゃろ)」付近から海岸に降りる階段が有り、せめて市振から、そこまで歩けないかなぁ・・と期待しとったんです。


 調べてもわからないので糸魚川市観光課にメールで問い合わせると
「昔は歩けたようだが、今は海岸に石が無くなり歩く事は不可能。
 階段から下りる事は可能で、その付近の少しだけなら海岸は歩ける」
という回答を頂きました。


 実はその回答メールを受け取る前日に、用事が有り国道を車で「親不知」を通りました。


 そしたら車がバンバン走っており、歩道も無い狭い洞門やらトンネルのある国道を歩いてるジサマが居るではありまへんか。


 ここは、現在でも歩く者にとっては難所に違いありまへん。


 ジサマは小さいリュックを背負って黙々と一人で歩いており、たぶん「奥の細道」の跡スジをたどってるのでしょう。
 でも、まさかσ(*_*)みたいな物好きな人が居るとは思わなかったなぁ。


 「市振駅」近くの「道の駅」で道路掃除しとるジサマに
「波打ち際を歩けるか?」と訪ねたら即座に「アカン、歩けん」と言いきります。


 そおやろねぇ・・・σ(*_*)でも聞かれたら危なそうな所だから「行くのを止めろ」と言うじゃろなぁ。


 それでもシツコク話題を少しづつ変えながら聞き出してみると
 
「波が静かな時、途中で海の中を歩いて渡る覚悟が有れば、何とか行けるかもしれん」と教えてくれました。


 はい、ここは江戸の昔から、とにかく波がピタッ〜ッッッと静まり返ってないと歩けない所らしいです。


 なんせ名前からオトロシイ名前ですからのおぅ。


 昔は波を見る専門のババアが居て、そのババアの合図で何とかという地点まで海岸のジャリを走り出し、その地点で次の波をやり過ごす・・の連続繰り返しの場所だったらしい。


 途中で転んじゃったり、ええ景色やのおぅ・・と思ってタバコ吸っちゃったりして、次の波が来るまでその地点に行き着けなければアウトで、そのまま波にさらわれちまって、いくら泣いても即席の信心・懺悔をしてもアカン。


 という所ですから、ウネリも波も無い季節・時期を狙わんと、波にさらわれっちまいますからのおぅ、まだ命が惜しいしぃ・・。


 最後に
「駅の向こう側に駐車場が有るから、そこから海岸の様子を見てみなせぇ」という言葉に、アッ!!その手で確認する事が出来るんだと気付かされ、その貴重な助言により駐車場へ行ってみました。


 雨が降っていたので、よぉ〜見えませんでしたが、どうも波消しブロックが途中に有るようで白波が大きく陸地にかかっています。


 アカンかもしれんなぁ・・・ブロックが入ってると歩きにくいというより、ブロックの間を飛び渡るのに苦労するから・・・と思い、国道に戻り少し走ると駐車場があったので、そこからもう一度海岸の状況を確認しました。


 先程の駐車場側を見ると完全に波が被っていて歩けません。
 さらに「親不知側」を確認すると、やっぱりブロックが入っておるようです。


 この状況を見て、「親不知・子不知」海岸の波打ち際を歩くのを完全にアキラメました。









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           H23.10.27  亭主 拝 m(_ _)m ハハアァァァ〜・・・