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尺八を携え歩いた越後霊場記



 夕日を背に受け、テクテクと「道の駅 豊栄」へ・・・


 途中、福島潟放水路の橋上から釣りしてる人がいましたが、あんまり連れてるようではありまへん。


 「横土居」集落を抜けてタンボ道から「道の駅」が見えます。


 この「道の駅」は車用道路パイパス沿いに有るため、車は簡単に入る事が出来るようですが、σ(*_*)のような別の道から来た歩きの者は、どこから入ったら良いかわからず、農道を通って「道の駅」の柵を乗り越えて入りました。

道の駅「豊栄」
 「道の駅」敷地内をまず偵察し、野宿に適さないようだったら近くの「黒山駅」を第二野宿候補にしてましたが、高台に屋根付きの休息所が有り、人も来さそうでないので、ここで野宿する事にしました。


 まずは腹ごしらえとして、食堂でウドンを食べて夕食とした。


 その後、野宿候補地にした高台のお休み所へ荷物を持って行き、改めて周囲を確認すると、囲む壁は無いが柱の陰で野宿すれば良いかな・・と思い、荷物を持って柱の陰に置いたが風が当たるようだ。


 テントを張るならば絶好地だが、σ(*_*)は簡易なツェルトしか持ってなく、ツェルトはどちらかと言うと非常用テントなので風に弱い。

道の駅「豊栄」
 先程ウドンを食べた食堂が7時に終わり、それに応じて付近の売店やら資料室も閉鎖して、内部施設としては自販機の部屋だけが開いてるようです。


 よっしゃあぁぁ・・食堂の前が施設の突き当たりのような場所になってるので、人がほとんど来ないだろおと思い、そこのベンチの隅っこまで、再び荷物を担いで引っ越しました。


 野宿場所が決まったら、寝るまでがヒマです。


 外に出て駐車場から離れたベンチに座り、車も少く、尺八を吹いても、それほどジャマにならんだろおと思い、ベンチに座って尺八を吹きました。
とよさかダチョウファーム

 駐車場まで聞こえないように、遠慮して「そおっ・・」と小さい音で吹きましたが、これが今までと違って力を抜いたような音に聞こえるんですねぇ。


 「リキミの無い音」とは、こおいう音なのかもしれんと改めて思った。


 四国遍路の時、庵の坊さんから「流派に伝わる、どんなにツマランと思えるような口伝でも、それを大切にしろ」というアドバイスを受けた事が有ります。


 σ(*_*)の流派では特に口伝のような物は有りまへんでしたが、σ(*_*)の師匠がその先生より教えられた言葉に「そっと吹きなさい」と言われたと教えてくれた事があります。


 σ(*_*)の場合は、この「そっと吹きなさい」が口伝だと思ってます。


 その言葉を忘れた訳ではなく、意識もしていたのですが、やっぱりどうしても、そっと吹かず、どこかに力が入ってたんでしょうねぇ。


 それが暗闇の中で遠慮しながら吹いてると「リキミ」が感じられず、かと言って弱々しい音ではありません。


 ううむう〜ぅぅ・・・こおいう事だったのか・・。


 尺八を吹き終わり、野宿場所のベンチでゴロンと寝ようとしたが、どうも体が痛い。


 銀マットをナイロン袋に入れて持って来ていたのですが、出すのが面倒だったので敷かなかったのだけど、あまりにも体の痛さに耐えきれず、銀マットを出して敷いてみると、かなり痛みが減った。


 やはり野宿するには、銀マットが必需品だわ。


 久々の野宿初日だったので、寝付かれず酒買っておくの忘れたなぁ。


 夜中に5・6人の若い男が、自販機前のベンチで大声で20分ほど談笑した他は静かだった。


 翌朝起きて自販機へコーヒーを買いに行くと、自販機室内のベンチでホームレスの男が一人寝ていました。
道の駅「豊栄」

 トッツアン、ええ場所を見つけたなぁ。
 この部屋は暖かいもんねぇ。


 灯りが点いていて、ちと眩しいかもしれんが・・。
 σ(*_*)は、ここまで堂々と人が来るベンチでは寝れないなぁ。


 昨夜、自販機に買い物をしに来た人は、近くで寝ていたσ(*_*)も同じホームレス仲間と思ったかもしれん。


 この「道の駅」は全国で一番最初に出来た「道の駅」だと書いてあります。


 外に出ると、昨日は暗かっので気が付きませんでしたが、すぐ近くに「とよさかダチョウファーマ」と書いた看板が有り、柵の中にダチョウが飼われており始めて見ました。


 そお言えば「道の駅」の土産に、ダチョウがどうのこうの・・という土産品が有ったような気がしたが、これだったのね。


 ダチョウだけかと思ったら、何でかわからんがニワトリも一緒に飼われており、どこかの養鶏場から鳴き声が聞こえると思ってたが、こいつが朝の早くから鳴きおったんだなぁ


 高台の休息所にテントが張ってあるのが見え、起きてたら話ししようかな・・と思ったけれどまだ寝ているようなので起こさなかった。


 自転車旅行の人らしく、やっぱり同じ野宿者同士、野宿場所の目の付け所や考える事は同じですなぁ。








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           H23.10.27  亭主 拝 m(_ _)m ハハアァァァ〜・・・