17番「不動院」(見附市)〜18番「根立寺」(与板)〜
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                 「越後三十三観音巡礼地図」
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尺八を携え歩いた越後霊場記



 「小木ノ城」への坂道を歩いてると、ふと草藪の中に生えている一輪の百合が目にとまりました。
百合

 へえぇ〜・・よくこんな所に一つだけ咲いてるなぁ・・と思って付近を見ると、他にも数株の百合が生えています。


 何という百合の種類かわかりまへんが、見事な大輪だった。
 だれかが植えのか、自然に生えたのか・・


 「小木ノ城」は山城なので、山の頂上までけっこうな坂道の距離があり、昔の人は城勤めするのにも、たいへんでしたろおなぁ。


 だいぶ頂上に近づいた頃、道端に綱が張ってある展望台があり「危険のため立入禁止」という看板が立っています。


 「ふう〜むうぅぅ・・どれほど危険なのじゃろうか。
 我、試みに上りて展望台の捨て石とならん」
と決意を込めて展望台に登ってみました。


 まぁ、確かに床板が腐りかかっており、危ないと言えば「あぶない」わなぁ。


 その危険な展望台からは、「小木ノ城」に有る二つの鉄塔が見えます。
 ちなみに「おぎのじょう」と呼びます、「おぎのしろ」ではありまへんでぇ。

小木ノ城 千貫門

 さらに少し坂道を上がって行くと、草藪の中に「千貫門跡」という看板が有りましたが、そこらに門跡らしき遺物は一切無く、草の繁りもすごいので探さなかった。


 「小木ノ城」跡へは、以前に一度車で行った事が有り、石碑が有った程度で、たいして面白い所でも無かったような気がする。


 今回、もし道の途中から「小木ノ城」を直接に通過する道が有ったら、ついでに寄る予定だったが、やっぱり無く、車道から「小木ノ城」へ行く道しかないようだったので行かなかった。


 尾根伝いの林道とぶつかるT字路の高台に「二十三夜塔」とチッコイ地蔵さんが有ったが、何であんな高台に有るだろ?


 昔は、その高さの所が道だったのかな?


 林道を少し歩くと「小木」への別れ道に、何となく昔の旧校舎のような建物が有り近寄ってみると「西越小学校相田分校跡」の碑が立っていました。


 今は「小木城山荘」の看板が掛かっており、建物には塗装がほどこしてあるが、あんまり使用されている様子でもない。
西越小学校相田分校跡

 地図にはこの辺に集落が記されていないが、数件の家が有り今も人が住んでるよおです。


 昔は、こんな山奥にも学校が有ったんだねぇ。


 そお言えば、熊野古道・本宮道を歩いた時にも、人里離れた山奥の所に立派な小学校跡地が有ってビックリした事があった。


 学校跡地から少し離れた所で一休み。


 モクを吸い終わって出発しようと腰を上げたら、車が一台麓から上って来て、σ(*_*)の目の前で停まりました。


 こんな所へ麓から来るなんて珍しいなあ・・と思いながら車を見ると、相手もこんな人気の無い山の中で、一人ポツネンと何しとるんじゃろ?と思ってか、助手席からオババが顔を出しました。


 一応、軽く挨拶はしたが、お互いに相手が珍しいつうか・・怪しい者と思ってる者同士で・・ジロジロと・・・
 まぁ、こっちも珍しいカッコウをしとったが・・。


 麓へ向かって降りて行くと、山際に小さい何か赤い物が見えました。


 どおもコップのようなので清水かもしれないと思い行ってみると、塩ビパイプから清水が流れていました。


 側には、あんまりキレイでないコップが二つが置いてあり、付近を見るとチッコイ地蔵さんと、風化して模様が見えなくなっている石仏らしい物が置いてあります。


 ふうむ・・コップが置いてあり、なおかつ石仏も置いてあるからには、この水は飲めるじゃろおと解釈して、あんまりキレイでないコップをゆすいで清水を飲んでみました。


 もし腹が痛くなるなら、清水のせいではなく、この汚いコップが原因だと思うが、幸いその後も腹が痛くならんかった。


 冷たい清水であり、近くに置いてある石仏は表面も見えなくなるほど風化している所を見ると、かなり昔から出ている清水だったんでしょうねぇ。


 でも、清水の説明看板も何も置いてありまへん。


 この道の利用者は、昔は山越えをした人が居たかもしれませんが、今となっては先程の校舎跡集落の人が利用する程度の道なので、この清水は地元付近の限られた少数の人しか知らない、「名も無き清水」なのでしょう。


 こおいう清水は、たいてい弘法大師の伝説があるんだけれど、何も云われが無くサミシイので
「哀愁巡礼清水」とか「涙マーク遍路清水」と名付けて、こんな伝説を作ってみたのですが、どないでっしゃろ。


 
今は昔・・越路の国に、小汚くも無名の遍路有り。


 その修行せし様は、作務衣・笠おば肩に掛け、また尺八を背負ひ


 作務衣は何時となく汗臭く、犬に吠えられ、各地の辺地をぞ常に踏む。


 巡礼寺にては、人の迷惑かえりみず、勝手に尺八を吹きて響きを惜しまず


 何を血迷いしか 人より忘れられたる越後霊場を訪ね、さまよひ浮浪す


 灼熱の渇き倒れし時 涼風と共に憐れみを持ちたる三十三化身観音現れ いと冷たき清水を指し示す。
                            ナモナモナモ・・・ナモナモ・・・

        (一部「梁塵秘抄」「三教指帰」よりのパクリ)



 車で通るだけだったら、この清水は見つられず、歩いてたからこそ見つけれたと思う。









注意
 
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 お手数ですが「第一部」と称していた「遍照の響き」に移動して頂き、以後はそちらの該当ページを参照してくださるよう、お願い致します。
           H23.10.27  亭主 拝 m(_ _)m ハハアァァァ〜・・・