里宮の境内には、山宮・里宮を掌る神職の大倉家が居住するが、同家所蔵の享保八年(1723)の文書によれば、黒姫大明神は大倉家の先祖が両部神道を勤めたときに本地観音像が垂迹したものという。 すなわち、昔は黒姫大明神は本地観音、垂迹罔象女神とし、別当大倉氏は神仏混淆の社僧であった。 山頂本宮は本地仏としての如意輪観音を祀って越後三十三観音第九番札所に指定されていたが、その石像は明治初年に山麓の磯之辺に下ろされ、いまも黒姫山観音堂に奉安されている