H20.4.14 巡礼
H21.10.31 UP





今までとは違って、えらい車の通りが多いなぁ・・と思う国道253を少し歩き、保倉川まで来ました。
橋を渡った所で、農道のような道を一直線に突っ切ると近道になるのを地図で調べていたので、どんな道かと橋を渡りながら確認し・・よっしゃぁ行けそうだと思って農道を歩きました。

農道がもうすぐ終わって県道とぶつかる頃・・どこからとなく祭りの笛の音が聞こえます。
ん?・・どっかで春祭りやっとるんかな?・・どこじゃろ?
まさか目の前の大きな工場で、従業員が地域のために獅子舞の練習しとるわけが無いわなぁ。
地図を確認すると、今歩いてる農道と県道がぶつかった付近に、鳥居の印があるので、ここで何かやっとると思い、痛い足をガマンしながら早歩きしました。
神楽が終わっちまうかもしれんので・・

この付近から神社へ行けるじゃろう・・という小道を上がったら鳥居の前に出ました。
ほんとは重いリュックを肩から降ろしたかったんだが、そのためには地図とか尺八も降ろさにゃアカンので手間ヒマが掛かります。
それまでの間に神楽が終わっちまうかと気が気でなく、杖と笠だけは近くの木に立て掛けて置き、リュックを担いだまま神社の階段を上がりました。
小さい神社で境内には村民のオバハンやジサマが20人程集まってます。

神社の中では、獅子が一匹踊ってましたが、やがてその場でうずくまりました。
たぶん踊り疲れたので、昼寝したんでしょうなぁ。
獅子が昼寝してる所に、今度は天狗さんが出て来て一人で踊り始めました。
天狗さんも、そのうち踊りつかれたのか、昼寝している獅子の前で立ち止まります。
天狗さんが獅子に背を向けて四股立ちになった時、急に寝たフリしとった獅子が天狗さんのお尻をパクッと囓みつきました。
そりゃあぁ〜・・獅子も、せっかく気持ち良く昼寝していたのに、天狗さんに周りをパタパタと踊り廻られて起こされたんだもん・・怒ってケツの一つでも噛み付きたくなりますわなぁ。

天狗さんは「わあぁ・・」と、ビックリ仰天して前に転がり、その様子を見て観客がドッと笑います。
これを見て、おいおい・・まさかアドリブじゃねえだろおなぁ・・
ホンマに、これ筋書き通りなんじゃろおなぁ。
それから天狗さんと獅子と二匹して、仲良く踊り始めました。

デジカメで踊りの写真を撮ってると、前に居た人が気付いて場所を譲ってくれました。
すんまへんねぇ、ありがとうごぜえます。
ふぅ〜ん・・まぁ珍しい踊りだわなぁ。
あんまり、このタグイの踊りは見た事が無い。
あんまり長く見ていても疲れるので石段を下りて帰り始めると、鳥居の所で後ろから「失礼ですが、どちらから来られましたか?」と声を掛けられました。
振り返って見れば先程、場所を譲ってくれた教育委員会風的な雰囲気を持つ、キチンと背広を着た紳士です。
そりゃぁ・・まぁ・・σ(*_*)のカッコウ見れば、ヨソ者だとすぐわかるカッコウだもんねぇ。オマケに銀マット付けたリュック担いでおれば・・・
「へい、●●(今住んでる所)から来た者ですが、今、越後霊場を巡っております」
「車で?」

「いえ・・歩いてです。」
「そのカッコウで?」と、ビックリしたように足下のツッカケを見ます。
そおじゃろおなぁ・・たいていマトモな神経を持った人ならば、このツッカケ姿で歩いてるとは思わんじゃろなぁ。
だいたいツッカケなんて、すぐ近所を散歩するか近くに買い物をしに行く程度の履き物で、専門的に歩くなら靴履いてると思うのが常識じゃろなぁ。
せっかくなので、たぶん不明でわからんじゃろおと思ったのですが

「この踊りの伝えは、どのようなのでしょうか?」
「さあぁぁ・・ちょっと、わかりまへんが・・」
あっ・・やっぱしなぁ・・教育委員会風的な人でも、わからんかったか。
そこへちょうどジサマが通り掛かり「この人なら村の古老だから知ってるかもしれまへん」と言って聞いてくれました。
いかにもこの集落の区長というか、顔役的な雰囲気を持ってるジサマです。
「こりは大飯食いの獅子を、天狗が退治するんじゃ。
早い話が、どこでも大飯食いはダメじゃろがぁ・・」
そお言えば植木等の歌に
「・・ニョウボーにしたのが大間違い、炊事洗濯まるでダメ、食べる事だけ三人前、
一言コゴトを言ったならばあぁ〜 プイと出たきり・・」
という歌詞が有ったなぁ。

このお獅子も、そんなニョーボーを想定してたんだろか?
「天狗の腰に刀を差していたろおぅ。」
はいはい・・そおいえばオモチャの刀を差していたが、あれは単なる飾りじゃないの?
「あれはなぁ・・最後に天狗が刀で、獅子のノドをグサッと刺して切るんじゃよ。」
おぉぉ・・・、最後にニョーボーと離婚してトドメを刺すという、なかなかドラマチックの踊りなんですねぇ。
「天狗も最初に、そのような口上を言っとる。」
うんうん・・そおいえば天狗さんが出て来た時に、何かよぉ〜わからん昔風的な口上を言ってたよおな気がするが、あれはニョーボーに離婚届を出すという口上だったのね。
ジサマも、どこから来たと尋ね、教育委員会風紳士は「どうぞ、もうすぐ終わりますので、神社で御神酒を飲んで行ってください」と勧めてくれます。
余所からわざわざ見に来てくれたのが、よっぽど嬉しかったんでしょう。
「祭りの実施は、この日(月曜日だった)に限定して、日曜日などのように日を移さないのでっか?」

「うん、ずらさない。
ホントは日曜に移した方が人が集まるんじゃろうけれどもね。
他の所はずらしとるようだが・・・」
そのような話しをしましたが、先を急ぎますので・・と礼を言って別れました。
あっ・・はい、せっかくの御神酒は頂きませんでした。
頂けば、長くなると思いましたので・・・

注意
このホームページは、サーバーを変更したので以後更新を行いません。
無料サーバーを使用しているため、更新が行われないと、数ヶ月後に削除されるらしいです。
お手数ですが「第一部」と称していた「遍照の響き」に移動して頂き、以後はそちらの該当ページを参照してくださるよう、お願い致します。
H23.10.27 亭主 拝 m(_ _)m ハハアァァァ〜・・・