「能生白山神社〜名立〜1番 岩屋堂」区間 地図
H19.10.8 巡礼
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尺八を携え歩いた越後霊場



 雨の中を再びトボトボと歩き・・・休む場所が無いなぁ・・と思ってたら、やっと「筒石」の磯部中学校の自転車置き場を見つけて、そこで雨宿り兼一休み。
久比岐自転車道「百川」付近

 再び出発したら、すぐにバス停やら観音堂やら神社やら・・よけい休む所が有った。
 世の中、そんなもんじゃ。


 「浜徳合」を過ぎ、その日の予定地である名立の「海てらす」の灯りが見えた時は、ホンマにホッとした。


 「海てらす」の玄関に杖・笠・雨合羽を置き、リュックだけを持って、まずは風呂(700円)に入り、そこの休息所の椅子で疲れていたため、心地よく少し寝た。


 晩飯をレストランで食べるためリュックを雨合羽を置いた玄関へ持って行くと、その入口付近で男の外人が自転車を手入れしていました。
 どうやら荷物からみて自転車旅行をしているらしい。


 晩飯を食べて荷物の所へ戻ると、外人さんがテーブルでコンビニ弁当を食べていたので話してみました。
久比岐自転車道「百川」付近

「ハロー、キャンユースピーク・・OK?
(ちわー、ちいっと話ししても、ええでっか?)」



「アイドンノー・ジャパニーズ・・
(ワシ、日本語よぉ〜わかりまへんのや)」



「ユー・バイスクール・トリュアベル?(自転車を指差して)
アイム・ウオーキング・トリャアベル(指で歩く形で動かして)
(アンサン自転車で旅行してますのか? σ(*_*)フラフラとホッツキ歩いてますねん)」



 どおやら、わかったらしい。


「ユア・カントリィ?(どこの国の人でっか?)」
「オーストラリア」



 そか、四国で会った外国人もオーストラリアだったなぁ、あの国は、外国旅行を奨励しとるんかな?
久比岐自転車道「藤崎」付近

 どんな職業してたら、そのように外国旅行が出来るのかと思い


「ホウァット・ユー(何の商売してますねん)」
「カメリャ・・ポートフィシング(港の魚を撮るカメラマンしてますねん)」



 ふう〜ん、そんなので商売になるんか。


「ユー?(そおいう、おめえさんは、どんな悪どい事してモウケとるんじゃ?)」
久比岐自転車道「藤崎」

「アイム・ポストマン
(へい、郵便配達して、マジメに稼いでます。)



「ウェアァ・トラベル?オブ・バイスクゥル?
(自転車でどこを回ってきた?)」


「スタートゥ・オオサカ・・・センダイ・・アキタ・・
(大阪を出発して仙台・秋田と東北地方を回った)
ユー?(おめえさんは?)」


「エチゴメイリング・・イチブリ、スタート・・イトイガワ
(越後霊場巡ってますねん。市振を出発して糸魚川を通って来た、
雨でドエレエ目に遭ったでぇ)」


久比岐自転車道「藤崎」方面
 σ(*_*)の地図を見せながら


「デイス・ポイント・ナダチ・・・ディスポイント・オヤシラズ。
オヤシラズ・・タヌル・・オンリー・カー・ロード。


(ここが今居る名立で、ここが親不知じゃ。
そいで親不知はオトロシイ所でのおぅ、トンネルが有って車が走り回り、歩道なんか有りまへんでぇ、と車が頻繁に走っている身振りをした)


ユア・マップ?(おめえさんの地図を見せてくんなせぇ)」



 見せてくれたのはA4版程度の日本全図で、主要国道と都市しか書いてありまへん。
 日本語もわからず、おまけにこの地図で、よぉ〜日本の東北を回れたなぁ。
 人間やれば出来るもんじゃ・・と妙に関心しちまった。
久比岐自転車道「筒石」へ

 そおいえば昔、遠洋航海でサイパンへ行った時、現地の地図が無かったので海図をコピーして地図代わりに持って外出した事があったなぁ。


 「道の駅 親不知」で貰った糸魚川近辺の地図をやろうとしたが


「ノー・エングレッシュ
(英語で書いてないからわからん、わて日本の漢字読めまへんのや)」



 そこで主要地名をローマ字で書いてやりながら、その付近の情報を教えてやりました。


 記念に四国遍路の納め札を渡してやると、しげしげと眺め紙に書いてある文字をなぞります。


「シコク・メーリング・エイティエイトゥループ
(それ四国88箇所巡拝と書いてありますねん)」


と言って外人さんの地図で四国を示した。


 お大師さんの絵を指さしながら
「チェア・・シューズ・・?
(椅子・靴・・そいで床に置いてある何かわからん物は何じゃ?)」



「アイドンノー
(σ(*_*)もわからん、花瓶みたいけれど何でっしゃろなぁ、賽銭入れかもしれん)」



 右手にもってる独枯を指差し
「?(何ですねん?)」


「イッツー・ドッコォ(「独枯」と言いますねん)」
と言って持つマネして、ウゥ〜ンと念じるマネしたら、わかったみたい。


 最後に人物を指差し
「?(だれですねん?)」


「コーボーダイシ(畏れ多くも、もったいない弘法大師様じゃ、ありがたく拝め)」
「ブッダ?(お釈迦さんか?)」

久比岐自転車道「筒石」

 まぁ、それでもええやと肯いといた・・まずかったかなぁ。


 外人さんがヨーロッパ旅行した話しになり、


「旅行中、14年間自転車旅行している若い男女の2人連れと出会い、その間に子供が生まれて自転車の後ろにリヤカーのような物を付けて子供を乗せ旅をし、子供は7才になっていた。」


とマンガ絵を描いたり、手振り・小型辞書を取り出して一生懸命に説明してくれ、やっと理解できたが、正直言って会話の内、半分位わからんかった。

久比岐自転車道「浜徳合」
「トウナイトゥ・ユァ・スリーピング・ホテル?
(あんさん、今晩はどこに泊まるんじゃ? おおかた野宿じゃろが)」



「ユー?(おまえさんは、どこで寝るの?)」


「バス・ストップ、ウィズ・ゴォィング?
(バス停に泊まるつもりじゃ。
一緒に見に行くか?)」



 σ(*_*)は荷物を持って先頭になって歩き、近くのバス停(「海てらす」に入る時に見つけといた)に行きました。


「ウィズ・スリーピング・・ユー・・アイ
(ここで一緒に寝るか?おまえさんが、そこに寝て、σ(*_*)はここで寝る)」



と、長いベンチを指差しましたが、身振りで身長が高いので二人寝るのは無理だと示します。


 あれだったらベンチを譲ってやって、σ(*_*)は床が寝てもええんだけどなぁ・・と思ったが、反対車線のバス停へも行ってみました。


 そこはベンチが短いので、外人さんが寝るには頭がつかえるようなので
「アイム・・ユー・・
(σ(*_*)ここで寝てもええでぇ。
あんさん先程のバス停で寝なせぇ、これも無財の布施(良い場所を譲る)じゃと、指差しながら身振りで示しました)」



「ノーノー・・」
と行って遠慮します。


外へ出て地下道入口付近に長いベンチが有るのを見つけ
「アイム・スリープ・・バイスクール・・
(ワシ、ここで寝ますわ、ここに自転車置きますので)」

名立川

 寝る場所が決まったので、元のテーブルの所へ戻り


「トウモロオゥ・スタートタイム?
(明日何時に出発するんかね?)」



「シクスゥ・・ユー?
(6時に出ますが、あんさんは?)」


「セブン・・グッドナイトゥ(7時頃かな、そいじゃ寝るでぇ)」


 近くのコンビニでペットボトルとプリンと紙パックの酒を買い、再び外人さんとこへ行き

「へイ・ギフト・プリン(ほれ、プリン持って来たぞ、食ったら疲れが取れるでぇ)」
と一つ分けてやりました。


 紙パックの酒を見せ
「デイスイズ・ジャパニーズ・ワイン
(これ、ハイカラな名前で言うと日本のワインと言ってなぁ、
上流階級とかお金持ちの人でないと飲めへんのやでぇ、飲むか?)」

名立「海てらす」

「イッツゥ・サケェ?(ウソこけぇ、それ酒じゃありまへんか?)」



 チェッ知ってたのか・・よぉ〜わかったなぁ。
 飲むなら、何か入れ物に分けてやろおと思ったが、いらないと手振りで示したので、今度こそ別れました。


 バス停で濡れた衣服や雨具を広げて干し、寝る用意をしてから地図を見ながら明日の予定を計画してると、外人さんが自転車を押しながら前を通り


「サンキュー・・なんたら・かんたら・・
(どうも世話になったね、ありがとう)」


「グッドゥラック・シィユーアゲィン
(汝の安全なる航海を祈る。いつの日かまた再び会いまみえん)」
と手を上げました。


 翌朝、バス停を出発した時、外人さんはまだ居るかな?と思い、寝ていた所へ寄ってみると、もう出発して居ませんでした。



 生活習慣・制度等の違いかもしれまへんが、あちらの国の人達は遊びや趣味を主目的としており、働くのはそのための手段・・という感じで、日本のように老後の心配をして金を残し、その合間に旅行するのではないのですねぇ。


 地図についても外国の人達は大ざっぱな地図か又は持っていない事が多く、σ(*_*)のような日本人は可能な限り詳細な地図を持たないと不安なんですねぇ。


 言葉にしても、日本語なんか勉強せず、全く話せない人も居て、それでも身振り手振りで、ちゃんと旅行できるのが日本の良い所なのか・・チャレンジ精神と言うのか・・。


 今まで出会った外国の旅行者は全てそんな感じで、そのような考え方・生き方をしてる人を見て、自分がいかに「日本的尺度でだけしか通用しない、物の見方をしていた」のか・・と思い知らされる事が多かった。









注意
 
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 お手数ですが「第一部」と称していた「遍照の響き」に移動して頂き、以後はそちらの該当ページを参照してくださるよう、お願い致します。
           H23.10.27  亭主 拝 m(_ _)m ハハアァァァ〜・・・